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2026.05.20

ハイブリッドワーク時代のオフィス選び|5つの判断ポイント

働き方が変化する昨今、オフィス環境や環境づくりの考え方は以前のまま、という企業は少なくありません。特にリモートワークと出社を組み合わせるハイブリッドワーク時代においては、面積や立地、そして契約形態の柔軟性が、コストや社員のパフォーマンスを維持するための重要な鍵となります。

本記事では、リモートワーク併用企業が押さえるべき5つの判断ポイントを整理し、オフィス選びを見直す視点を提示します。

※本記事の内容は2026年2月時点の公開資料・一般的傾向を基にした参考情報です。実際の条件や最適解は、企業規模・働き方・物件条件により異なります。

働き方が変われば、オフィスの役割も変わる

ハイブリッドワーク時代のオフィスには「そこで働く理由」が不可欠

これまでは従業員が毎日定時に集まり、業務を処理するための「作業の場」としての役割が主だったオフィス。しかし、近年、オフィスの役割は「コミュニケーションの場」や「企業文化を醸成する場」へとシフトしつつあります。

例えば、対面でのブレインストーミングや、偶発的な雑談から生まれるアイデア創出など、リモートでは代替しにくい価値が見直されつつあります。大企業を中心にオフィス回帰の傾向も強くなる中、オフィスは単に「席がある場所」ではなく、従業員がわざわざ足を運びたくなるような「集まる理由・価値」のある場所として定義し直す必要性が高まっています。

オフィス選びにおいて「大は小を兼ねる」は失敗の元

従来は従業員数に合わせて全員分の固定席を用意していたため、将来増員した際にも対応できるよう、余裕を持って広めの物件を借りるのがセオリーでした。しかし、出社率が変動しやすいハイブリッドワーク環境下では、この考え方が経営リスクにつながりかねません。

出社率が低い日が多い会社の場合、全員分の固定席を用意してしまうと、無駄なスペースに賃料を払い続けることになります。実際に、フリーアドレスを導入してオフィスに必要な面積を出社率に合わせて調整することで、コスト削減とスペースの有効活用を両立させようとする企業も増えているようです。

働き方や出社率によって、必要な面積・立地・契約条件は変わります。

& workplaceでは、働き方を整理するところからご相談いただけます。

ポイント1:「なぜ出社するのか」からオフィスを考える

出社することで得られる、「無視できないメリット」とは

コロナ禍でリモートワーク経験を通じて、仕事には「出社して行うべき業務」と「リモートで行える業務」があることが明確になってきました。例えば一般的には、集中を要するソロワークや定型業務はリモートの方が効率が良いとされる一方、チームビルディングや複雑な課題解決のための議論は対面が適しています。

つまり、自社の業務において、対面コミュニケーションがどの程度重要視されるかによって、必要なオフィスの機能とそれに見合った広さが変わってくるということが分かってきました。オフィス選びには、まず自社の業務内容を整理し、「なぜオフィスが必要なのか」という根本的な問いに向き合う必要があるでしょう。

業務内容に応じて、必要なスペースを切り分ける

また、オフィス選びにおいても重要な視点として、「ABW(Activity Based Working)」が注目されています。この働き方を目指す場合、広さだけでなく、使い方に着目してスペースの活用方法も検討します。

業務内容別に必要なスペース整理

業務内容必要な空間
集中作業、定型業務自宅や静かな個人スペース
チームでの議論、企画業務対面でのミーティングスペース
Web会議が多い業務防音ブースや個室

ポイント2:「出社率が読めない」時代の面積・レイアウト設計

可変性が低いオフィスで起きやすい問題

従来のオフィスでは部署ごとの固定席や壁で完全に仕切られた会議室が多いのが当たり前でした。しかしこういった固定席中心のオフィスでは可変性が低く、次のような課題が生じる可能性があります。

  • 曜日によって混雑と閑散の差が大きい
  • 出社率が低い日の空席が多く、コスト効率が悪い
  • 増員・組織変更のたびに工事・什器入替が発生する

出社率が安定しない企業ほど、こうした課題が顕在化しやすい傾向があります。

将来変更を前提にしたレイアウト設計

とはいえ、現在は大企業を中心に、オフィス回帰の傾向が強くなってきていますが、柔軟な働き方がいつまでも続くとは限りません。個人の固定席を用意しない「フリーアドレス」の導入が進んでいますが、人間だけでなく、設備や施設も建付けではなく可動式を採用するなど、変化に対応しやすくする工夫が必要です。

オフィス面積や賃料の目安を、具体的な数字で確認したい方はこちら。

ポイント3:毎日出社しない時代の、立地条件の考え方

立地条件は、出社頻度に応じて考える

毎日通勤することが前提であれば、従業員の自宅から通いやすい場所や駅からの近さが最優先事項でした。しかし、出社頻度が減れば、重視すべき立地条件は変化します。自社の出社ルールと照らし合わせて判断することが重要です。

出社頻度重視すべきポイント
毎日出社駅近・通勤利便性
週2〜3日集まりやすさ+コストバランス
必要時のみターミナル駅/環境重視

※出社頻度別に見た立地判断の考え方

通勤・採用・来客のバランスを見極める

リモートワークが普及したとはいえ、オフィスの立地は採用活動や企業ブランディングに一定の影響を与えるといわれます。「どこでも働ける」環境があるからこそ、オフィスに出社したくなるような魅力的な立地や、クライアントが訪問しやすい利便性を重視する視点も欠かせません。コスト削減のために立地を妥協しすぎると、かえって出社意欲や採用競争力を削ぐ可能性もあるため、立地の良さに比例するコスト増と好立地から受けるメリットのバランスを見極めましょう。

ポイント4:リモート併用で“効く設備”“いらない設備”

リモート併用で重要度が上がる設備

ハイブリッドワークを前提とする場合、従来のオフィスで当たり前だった機能の重要度が下がる一方、新たな設備・施設へのニーズが高まります。

働き方の変化で重要度が変わる設備・施設

重要度設備・施設





Web会議ブース/通信環境/小規模会議室

書庫スペース/固定電話配線/大会議室

設備は「実際に使われるか」で再配分する

一方で、ここ数年で書類はクラウドで、電話はチャットツールやアプリでと、オンライン化が進むことで、重要度が下がったり、不要になる設備も出てきています。また、オンライン会議の浸透で大人数が一度に集まるチャンスも減ってきました。その分、少人数用のハドル(軽い打ち合わせ)スペースや、リフレッシュスペースなど、今の働き方に即した設備の優先順位が向上しています。

ポイント5:成長中企業にフィットする「変化に強い契約形態」

契約期間・条件が柔軟性を左右する

オフィスの契約形態は、将来的な移転や拡張・縮小のしやすさに大きく影響します。働き方が確立していない段階や、急成長フェーズにある企業の場合、長期契約で場所を固定してしまうことがリスクになる場合もあります。

普通借家・定期借家・短期契約の考え方

そこで、働き方の変化への対応しやすさという観点から、主な契約形態の特徴を整理しました。

契約形態・種類契約期間レイアウト働き方変化との相性
普通借家契約
(一般的な賃貸)
長期安定利用向きだが工事コストが高め
更新:一般的に2年ごと
解約予告は3〜6ヶ月前が多く、急な退去は違約金リスクも。
メリット:内装を自由に構築できる。
デメリット:原状回復義務があり、退去時の負担が大きい。

長期安定利用には向くが、急な増減床や移転に対応しにくい。
定期借家契約
普通借家に比べると割安だが柔軟性△
更新:なし(期間満了で終了)
契約期間が確定しており、原則として中途解約が困難。
メリット:条件次第で賃料が抑えられる場合がある。
デメリット:期間中の変更が難しい。

一定期間、同じ規模・場所で事業を行う場合にはコスパがいいが、変化への対応力は低い。
サービスオフィス・シェアオフィス
短期契約が可能で柔軟性のある運用向き
更新:短期契約(1ヶ月単位〜1年程度など)
更新・解約の判断がしやすい。
内装工事不要ですぐ入居可能。人数の増減に合わせて部屋やプランを変更しやすい。
リモートワーク中心で出社人数が読みにくい段階や、テスト的な拠点開設に最適。

※表の内容は一般的な傾向に基づく比較であり、実際の契約内容は物件により異なります。

会社の規模や成長段階、業務内容など様々な要素を加味しながらフィットする契約形態を検討しましょう。

契約条件で失敗しないためのチェックポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

モデルケース|週3出社制の場合、オフィス条件はどう変わる?

週3出社を前提にしたオフィス要件の整理

では基本的な考え方が分かったところで、ハイブリッドワークへの移行に伴って「週3日出社・週2日リモート」を原則とするとどうなるか、考えてみましょう。週3出社制のモデルケースでは、以下の前提が考えられます。

  • 最大同時出社率:60〜70%
  • 全員分の固定席は不要
  • フリーアドレス前提で面積を圧縮

面積・立地・契約条件をどう整理するか

こういったケースでは、以下のような発想で要件を整理するといいでしょう。

週3出社モデルでのオフィス設計ポイント

  • 面積:フリーアドレス前提で縮小
  • 立地:ターミナル駅重視で“集まりやすさ”を確保
  • 契約:賃貸+短期拠点併用で変動リスクに対応

柔軟な働き方を前提にしたオフィス選定のポイント

このプロセスから読み取れるのは、単なるコスト削減ではなく、定義した働き方とオフィス条件を連動させることの重要性です。今後の事業成長や採用状況によって、最適な出社率は変化する可能性があります。そのため、内装を作り込みすぎず、契約期間や解約条件においても将来的な変更の余地を残しておくことが、不確実な時代のオフィス選びにおいて合理的な判断プロセスであると考えられます。

働き方志向のオフィスづくりでお悩みの方へ

働き方や事業フェーズに合わせて、面積・立地・契約条件をどう整理すべきか悩んでいませんか?

& workplaceでは、働き方と事業フェーズに合ったオフィス条件の整理からサポートしています。

「まず考え方を整理したい」という段階でも、お気軽にご相談ください。