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  • オフィス移転ノウハウ

2026.05.20

オフィス内見で確認すべき30のチェックポイント|見落としがちな設備と周辺環境

「雰囲気は良かったのに、入居後に後悔した」

そんな声は、オフィス探しの現場でよく聞かれます。内見は限られた時間の中で行われるため、見た目の印象だけで判断してしまい、実務上の使い勝手や設備の状態を確認し損ねるケースが少なくありません。

本記事では、オフィス内見で確認すべきポイントを30項目に整理しました。室内の執務スペースから設備・共用部・セキュリティ・周辺環境まで、「実際に働き始めてから気づいた」では遅い項目に絞って解説します。内見前に一度目を通しておくだけで、確認の精度がぐっと上がるはずです。

※本記事の内容は2026年2月時点の公開資料・一般的傾向を基にした参考情報です。実際の物件状況は個別に確認してください。

オフィス内見の準備|持参すべきものと事前情報収集

内見前に揃えておきたい持ち物

内見当日に「測っておけばよかった」「写真を撮り忘れた」とならないよう、事前に準備しておきましょう。

持ち物用途
メジャー(5m以上推奨)間口・奥行き・柱の位置の実測
スマートフォン写真・動画撮影、電波確認
ノートPC・タブレットWi-Fi速度の実測確認
方位磁針(スマホアプリ可)日当たり・窓の向きの確認
チェックリスト(印刷 or スマホ)確認漏れ防止
名刺担当者への挨拶

内見前に確認しておくべき事前情報

現地に行く前に、以下の情報を仲介担当者から入手しておくと、当日の確認がスムーズになります。

  • 図面(平面図・天井高・柱の位置)
  • 電気容量(アンペア数・動力の有無)
  • インターネット設備の状況(光回線の引込み可否)
  • 空調方式(個別空調か中央空調か)
  • ビルの築年数・耐震基準(1981年以降の新耐震基準か)
  • 共益費の内訳と含まれるサービス

物件の「表の顔」だけでなく、スペック面を事前に頭に入れておくことで、内見時の質問が具体的になります。

内見時の基本的な流れとマナー

内見は「見るだけ」ではなく「確かめる場」

内見は、物件の雰囲気を確認するだけでなく、実際に働くことを想定した「シミュレーション」の場です。担当者の案内に従いながらも、疑問点はその場でどんどん質問して構いません。

一般的な内見の流れは以下のとおりです。

  1. エントランス・ロビーの確認
  2. エレベーター・共用廊下の確認
  3. 対象フロア・室内の見学
  4. 設備・電気・空調の確認
  5. 周辺環境・駅までの動線確認
  6. 担当者への質疑応答

内見時間は「最低でも30〜45分」確保する

案内される側は「早く終わらせなければ」と遠慮してしまいがちですが、オフィス内見は最低でも30〜45分は時間を取りましょう。特に複数のフロアや広い物件の場合は、1時間以上かかることもあります。

時間が限られている場合は、後述するチェックリストを使って「確認すべき項目に絞る」ことで効率化できます。

【室内】執務スペースでチェックすべき10項目

チェック①〜⑤|空間の使い勝手を確認する

  1. 柱の位置と出っ張り
    図面では分かりにくい柱の位置や出っ張りは、デスクレイアウトや動線に大きく影響します。特に角柱が多い物件では、有効面積が図面の数字より狭く感じられることも。実際にレイアウトを想定しながら確認しましょう。
  2. 天井高
    標準的なオフィスの天井高は2.4〜2.8m程度です。天井が低いと圧迫感が出て、長時間働く環境としての快適性が下がります。内見時に実際に立ってみて、圧迫感がないか確認してください。
  3. 床の素材と状態
    フローリング・タイルカーペットなど、床材の種類と状態を確認します。傷・汚れ・めくれがある場合は、入居前の補修を求められるかどうかを確認しておきましょう。
  4. 窓の数と位置
    採光・換気・眺望に影響します。窓が少ない、または高い位置にしかない物件は、日中でも照明に頼ることになります。
  5. コンセント・LANの位置と数
    デスクを置く場所の近くにコンセントがあるかを確認します。床や壁のコンセント数が少ない場合は、OAフロア(床下配線)への変更や配線工事が必要になることも。

チェック⑥〜⑩|働く環境として成立するか

  1. 騒音・振動
    内見は昼間に行われることが多いですが、隣のフロアや外部からの騒音・振動も確認しておきましょう。幹線道路沿いや電車高架下、工事現場が近い物件は要注意です。
  2. 間仕切り壁の有無と変更可否
    既存の間仕切りが業務に合っているか、変更・撤去できるかを確認します。「原則変更不可」の物件もあるため、内装工事の自由度は事前に確認が必要です。
  3. 床荷重
    サーバー機器・複合機・金庫など重量物を設置する予定がある場合、床の荷重制限(kg/㎡)を確認してください。一般的な事務所フロアは300〜500kg/㎡程度ですが、物件によって異なります。
  4. 臭い・湿気・カビの痕跡
    室内に入ったときの臭いや湿気の感触は、写真では分かりません。特に地下フロアや日当たりの少ない物件は、カビや結露のリスクがあります。壁・天井の隅も目視で確認を。
  5. 廃棄物・前テナントの残置物
    退去したばかりの物件では、前テナントの残置物が残っている場合もあります。どこまでがオーナー負担で撤去されるのか、入居時の状態について確認しておきましょう。

【設備】電気容量・空調・インターネット環境の確認方法

チェック⑪〜⑮|設備の不足は後から直せないこともある

  1. 電気容量(アンペア数)
    IT企業やクリエイティブ系の企業はPCや周辺機器が多く、電気容量が不足すると業務に支障をきたします。現在の契約アンペア数と、増設可能かどうかを確認してください。目安として、社員10名程度であれば60〜100A以上が望ましいとされています。
  2. 動力電源の有無
    大型の空調・複合機・サーバーラックなどには「動力電源(三相200V)」が必要なケースがあります。設置予定の機器リストをもとに、必要かどうかを事前に整理しておきましょう。
  3. 空調方式と管理範囲
    空調は「個別空調(テナント自由に操作可)」と「中央空調(ビル管理側が制御)」に大別されます。中央空調の場合、夜間・休日の空調が制限されることも。残業が多い会社や土日出社がある場合は特に確認が必要です。
  4. インターネット回線の引き込み状況
    光回線が既に引き込まれているか、新規引き込みが必要かを確認します。新規の場合、工事までに数週間〜1ヶ月以上かかることもあります。また、ビル内共用回線の場合は速度が安定しないケースもあるため、可能であれば実測してみましょう。
  5. トイレ・給湯室の専有・共用の別
    トイレや給湯室が専有か共用かは、日常的な使い勝手に直結します。共用の場合、何社が同じ設備を使うのかも確認しておきましょう。

【共用部】エントランス・エレベーター・トイレの確認ポイント

チェック⑯〜⑳|共用部の質はブランドイメージにも影響する

  1. エントランスの印象・清潔感
    来客時に最初に目に入るエントランスは、企業のブランドイメージに直結します。清掃状態・照明・ロビーの雰囲気まで、「クライアントをここに通せるか」という目線で確認しましょう。
  2. エレベーターの台数・待ち時間
    朝の出社ラッシュ時や来客が重なる時間帯に、エレベーター待ちでストレスが生じないかを確認します。特に高層階のフロアでエレベーターが1台のみの場合は、混雑時の不満につながることがあります。
  3. 共用トイレの数・清潔感
    共用トイレの清潔感と数は、毎日使う設備だけに重要度が高い項目です。ウォシュレットの有無、洗面台の広さ、換気の状態まで確認しておくと安心です。
  4. 廊下・共用スペースの広さ
    什器の搬入経路としても使われる廊下の幅は、意外と見落とされがちです。デスクや大型の機器を搬入する際に通れる幅かどうかを確認しておきましょう。
  5. ゴミ置き場の場所とルール
    事業系ゴミの収集ルールはビルによって異なります。指定業者への委託が必要な場合や、ゴミ出しの曜日・方法が制限されている場合もあります。

【セキュリティ】入退館管理と防犯対策

チェック㉑〜㉔|情報漏洩リスクと防犯への備え

  1. 入退館管理の方式
    カードキー・暗証番号・生体認証など、入退館管理の方式を確認します。テナントごとに独立したセキュリティが設定されているか、ビル共用の管理になっているかで、セキュリティレベルが変わります。
  2. 監視カメラの設置状況
    エントランス・エレベーター・廊下などへの監視カメラの設置状況は、防犯対策の基本指標のひとつです。特に夜間・休日に無人になる場合は重要な確認ポイントです。
  3. 夜間・休日の管理体制
    常駐警備員がいるか、無人になる時間帯はどのくらいかを確認しましょう。24時間利用可能な物件でも、夜間の入退館ログが記録されているかどうかで対応が変わります。
  4. 宅配・荷物受け取りの対応
    EC事業者や物販系の企業でなくても、書類や備品の配送は頻繁に発生します。不在時の宅配受け取り方法や、宅配ボックスの有無を確認しておきましょう。

【周辺環境】駅からの動線と周辺施設

チェック㉕〜㉗|毎日使う「導線」を歩いて確かめる

  1. 最寄り駅からの実際の所要時間
    物件情報に記載されている「駅徒歩〇分」は、不動産表示基準(80m=1分)に基づく計算値です。実際には信号待ち・坂道・雨天時の迂回などで、体感時間はもっと長くなることも。可能であれば実際に歩いて確認してください。
  2. 周辺の飲食店・コンビニの充実度
    ランチやちょっとした買い物のしやすさは、日々の満足度に意外と大きく影響します。「近くに飲食店が少なくて昼食難民になった」という話も聞かれるため、周辺を歩いて確認しておきましょう。
  3. 銀行・郵便局・行政機関へのアクセス
    法人向けの手続きや来客対応で利用する機会のある施設が近くにあるかも確認しておくと安心です。

【日当たり・眺望】働きやすさへの影響

チェック㉘〜㉙|採光は長時間労働の快適性を左右する

  1. 日当たりと採光の確認
    日中の採光状況は、照明コスト・快適性・社員のモチベーションに影響します。北向きの窓のみで日照が入らない物件や、隣接する建物の影で昼でも暗い物件は、照明への依存度が高くなります。可能であれば、午前・午後の異なる時間帯に確認できると理想的です。
  2. 眺望とプライバシー
    向かいのビルとの距離が近い場合、外からの視線が気になることがあります。特に低層階は隣接ビルの窓から室内が見えることもあるため、ブラインド設置の要否まで含めて確認しておきましょう。

内見時に質問すべき10の項目

チェック㉚|担当者に必ず口頭で確認しておくこと

内見では、目で確認できることに加えて、担当者への質問から得られる情報も重要です。以下の10項目は、契約前に必ず口頭確認しておきましょう。

  1. 現在の空室期間はどのくらいか(長期空室の場合、理由を確認)
  2. 前テナントの退去理由(設備・環境の問題がないか)
  3. 近隣テナントの業種・雰囲気
  4. ビルの管理組合・管理会社の連絡先と対応実績
  5. 過去の設備トラブル(漏水・停電・空調故障など)の有無
  6. 現在の改修・修繕計画の有無
  7. 入居可能時期と引き渡し時の状態
  8. 内装工事の際の制限(業者指定・工事時間・申請手続き)
  9. 増床・縮床の可能性(隣接フロアの空き状況)
  10. フリーレントや初期費用の交渉余地

なお、契約内容の確認事項については、以下の記事で詳しくまとめています。内見後に契約段階へ進む前に、ぜひ確認してみてください。

複数物件を比較するための評価シートの作り方

感覚ではなく「数字と項目」で比較する

複数の物件を内見した後、「どれが一番よかったっけ?」となってしまう経験は多くの担当者が持っています。印象で決めてしまうと、後から「なぜあの項目を確認しなかったのか」と後悔することも。

評価シートは難しく作る必要はありません。以下のような簡単なフォーマットで十分です。

評価項目物件A物件B物件C
賃料(月額)
専有面積
駅徒歩(実測)
電気容量
空調方式
日当たり◎/○/△/✕
セキュリティ◎/○/△/✕
共用部の印象◎/○/△/✕
周辺環境◎/○/△/✕
総合評価

「優先順位」を決めてから評価する

評価シートを活用する際に大切なのは、「何を重視するか」を先に決めることです。例えば、採用強化中の企業であれば立地・エントランスの印象を最重視する、IT系でリモートが多い企業であればネットワーク環境と契約の柔軟性を最重視する、といった形です。

なお、契約内容の確認事項については、以下の記事で詳しくまとめています。

オフィス内見をもっとスムーズに進めたい方へ

「チェックリストを持って内見したけれど、どう判断すればいいか分からない」「候補物件が多くて比較に迷っている」

そんな場合は、プロと一緒に内見することも選択肢のひとつです。

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