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2026.05.20

オフィス移転の流れ完全ガイド|失敗しない7ステップと注意点

オフィス移転は、検討を始めてから実行・運用までに多くの判断が求められるプロジェクトです。何から手を付けるべきか分からないまま進めてしまうと、スケジュールの遅延や想定外のコスト増につながることも少なくありません。

この記事では、オフィス移転の全体像と流れを7つのステップに分けて整理し、検討初期の段階でも「次に何をすべきか」が分かるように構成しています。まず全体を把握したい方は、本記事をオフィス移転プロジェクト検討の起点としてご活用ください。

オフィス移転を検討すべきタイミングとは?

オフィスの環境見直しが必要なサインは一つではありません。さまざまなサインがあり、それらが複合的に表れる場合もあります。まずは主なきっかけを紹介します。

  • 現行オフィスの契約更新が迫ってきた
  • 人員や業務とオフィスの規模感がマッチしなくなってきた
  • 設備の老朽化が目立ってきた
  • 賃料負担が経営を圧迫している
  • 企業イメージと現在のオフィスと合わなくなってきた

その他、下記のような項目も間接的にオフィス環境が原因となっている可能性があります。

  • 従業員のモチベーション低下
  • 採用活動が上手くいかない

こういったサインが見え始めたら、オフィス環境の刷新を検討するタイミングかもしれません。

オフィス移転の全体スケジュールと流れ

オフィス移転の一般的な流れ

ここでは、オフィス移転プロジェクトを、大きく「企画」「準備」「実行」「運用」の4つのフェーズに分類します。

  1. 企画:移転の目的設定、予算策定、スケジュール立案を行う。
  2. 準備:物件の選定、レイアウト設計を進め、実行に必要な業者を選定する。
  3. 実行:内装工事、什器・設備の移設、実際の引っ越し作業、官公庁への手続きを実施する。
  4. 運用:新オフィスでの業務開始。運用ルールの作成と周知、効果検証を行い、適宜見直しをする。

6か月以上前から動く必要がある理由

オフィス移転にかかる期間は企業の規模や移転先の状況などによりさまざまですが、一般的には最短6か月の準備期間が必要とされています。オフィス退去にあたって、管理会社やオーナーに解約通知を出すタイミングが半年前というのが一般的で、それ以上後ろ倒しになると新オフィス移転後にも旧オフィスの賃料が発生する恐れがあります。

物件探し、設計、内装工事の各工程にそれぞれ数か月の期間を見込むため、移転計画の実施には年単位の時間がかかることも。また、スケジュールは企業や物件の規模の他、工事の進捗状況によっても変動の可能性があります。余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

失敗しないオフィス移転の全体像【7つのステップ】

ここでは、7つに分けて移転を成功に導くためのステップを紹介します。

  • ステップ1:移転の目的と新オフィスのコンセプトを明確にする
  • ステップ2:予算とエリアの絞り込み
  • ステップ3:働き方に合わせた物件条件の整理
  • ステップ4:物件探しと内見のポイント
  • ステップ5:契約手続きと注意点
  • ステップ6:引っ越しと原状回復
  • ステップ7:移転後の運用と検証

これらの工程を時系列に沿って進めることで、漏れのない確実な移転計画を実現できます。

実際にオフィス移転を行った企業の事例はこちら

ステップ1:移転の目的とコンセプトを明確にする

なぜオフィスを移転するのか、目的を明らかにする

オフィス移転は単なる「場所の移動」ではなく、移転は働き方の見直しや組織の活性化、ブランディングの強化にもつながる大きな転換期になります。表面的な理由ではなく、本質的な課題を分析し、計画を進めましょう。

目的が曖昧なまま進めた場合の問題

オフィス移転には、常にスケジュールの期限が伴います。また、移転プロジェクトには物件選定やレイアウト、デザインなど、各段階で多くの判断が必要になります。現オフィスの課題や移転の目的が曖昧だと判断基準が定まらず、意思決定に時間を要する可能性があります。事前準備をしっかりせずに進めると、全体のスケジュールに大きな影響を及ぼす恐れがあります。

目的設定の代表的な考え方

オフィス移転の目的は、何を重視するかによって大きく3つのタイプに整理できます。

  1. コストや機能の維持=物理的な「引っ越し」型
    契約満了に伴うオフィス移転や、賃料コスト削減や建物の老朽化対応など、機能の維持を重視するタイプ。
  2. 業務効率や利便性の向上=課題解決型
    会議室不足の解消や部門間動線の改善など、日常的な生産性向上を重視するタイプ。
  3. 組織の活性化やブランディング=経営戦略型
    企業理念の浸透、採用力の強化、組織活性化など、経営戦略やブランディングを重視するタイプ。

これらをベースに、オフィスづくり全体の方針を端的に示した「オフィスコンセプト」を策定すると、プロジェクトを貫く一貫した判断軸を確立できます。

& workplaceでは、働き方や組織の課題を整理したうえで、オフィス移転の目的や方向性を一緒に言語化するサポートを行っています。

ステップ2:予算とエリアの絞り込み

賃料以外に発生する主なコスト項目

移転予算の策定では、初期費用だけでなく、移転後のランニングコストもあわせて把握する必要があります。

  • 初期費用
    旧オフィス退去にかかる費用
    原状回復工事費(内装撤去、補修、クリーニングなど)、廃棄物処理費
    新オフィスにかかる費用
    前賃料、敷金(保証金)・礼金、保証会社費用、仲介手数料、火災保険料、引越し費用(運搬費)、内装工事、インフラ工事、什器購入費、住所変更に伴うその他諸経費(名刺や封筒を含む印刷物の更新など)
  • ランニングコスト
    オフィスの賃料の他、共益費、清掃費、警備費、水道光熱費などの固定費。また、通勤費の変動も考慮が必要です。

後述しますが、特にオフィス物件の原状回復工事に関しては、個々の物件や契約内容によって条件や費用が大きく異なります。個別に確認が必要な費用となりますので、注意が必要です。

エリア選定で考慮すべき視点

エリア選定では、交通利便性、周辺環境、顧客との距離といった実務面に加え、エリアが持つブランディングイメージを考慮します。特に、東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)のような中心部では需要が強く、賃料が上昇傾向にあるため、賃料負担と事業計画のバランスを見極める必要があります。また、ハザードマップに基づいたBCP(事業継続計画)の視点も、立地選定の重要な条件となります。

東京都心主要エリアの賃料相場などについては、こちらで詳しく解説しています。

ステップ3:働き方に合わせた物件条件の整理

物件検討前に整理すべき働き方

働き方やオフィスの在り方が見直されつつある昨今。働き方によってオフィスに求められる条件や設備なども変わってきますが、通常業務を継続しながら働き方に即した環境づくりを進めるのは至難の業です。オフィス移転は、新たな働き方を設定し、それにあった環境づくりを推し進めるまたとないチャンスです。

働き方から導かれる物件条件

整理された働き方に基づき、具体的な物件条件を算出します。

  • 面積:同じ人員数でも、業種や働き方で必要なオフィス面積は大きく異なる。出社率やフリーアドレス導入の可否など、自社の状況に合わせて適正面積を試算する。
  • 設備:新しい働き方に対応したICT環境とレイアウトの可変性。

その他、働き方にかかわらず、照明・電源・空調・セキュリティなど基本的設備や、耐震性能や駐車場といった特殊要件についても確認しておきましょう。

この工程を省いた場合に起きやすい課題

働き方の整理を疎かにしたまま物件を決めると、移転後に業務効率を下げてしまったり、従業員に混乱やストレスを感じさせてしまったりするリスクがあります。また、イメージ先行で新設備や多目的スペースを導入したものの稼働率が悪く、無駄が生じてコスト最適化のチャンスを逃すことにも繋がります。

働き方起点で考えるオフィス選びについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

ステップ4:物件探しと内見のポイント

内見時に確認すべき基本項目

内見(内覧、現地確認)では、図面や数値だけでは判断できない建物のグレード感や共有部の管理状態、エレベーターや水回りなどを重点的にチェックしましょう。また、天井高、床荷重、非常用電源の供給能力といったBCP面のスペックも、実際の建物の使い勝手と併せて確認する必要があります。

図面では分からない確認ポイント

住居の物件探しにも共通する点ですが、実際の使用感を確かめることも大切です。特に以下の点に注目します。

  • 柱の位置と数:レイアウト効率に大きく影響する要素。配置によってはデッドスペースを生む可能性があります。
  • 周辺環境と利便性:駅からの実際の徒歩ルートの体感、近隣の飲食店などの利便性を確認します。
  • 室内環境:日当たり、窓からの景観、騒音など、従業員のモチベーションや集中力に影響する要素を体感します。

可能であれば、従業員目線で動線をシミュレーションし、複数回の現地見学を行うことが大切です。

内見時に確認しておきたい具体的なチェックポイントはこちらで詳しくご紹介しています。

ステップ5:契約手続きと注意点

契約書で確認すべき主な項目

賃貸借契約では、詳細な条件の精査が不可欠です。

  • 契約形態:「普通借家契約」もしくは「定期借家契約」があります。契約期間や継続更新の可否など条件が異なるので、契約締結前に条件に合うか確認が必要です。
  • 保証金:いわゆる「敷金」に当たります。オフィスの場合、6~12か月分程度と高額になることもあるので、事前に金額や預託期日を確認しておきましょう。
  • 解約予告期間(退去予告期間):一般的に6ヶ月前などと定められており、期限を過ぎると余分な賃料が発生します。
  • 更新の種類:合意更新、法定更新、または自動更新条項の有無。
  • 原状回復の範囲:どこまでの範囲を戻す必要があるのか。

特に、原状回復に関しては、契約内容によって対応が必要な範囲や依頼先が異なります。退去の際にコストトラブルにつながる恐れもありますので注意が必要です。

契約書で特に注意すべきポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

ステップ6:引っ越しと原状回復

引っ越し準備の進め方

引っ越しを円滑に進めるためには、遅くとも2〜3ヶ月前から引越し会社を選定する必要があると言われています。プロジェクトチームを中心に、引っ越し会社や各部署の担当者が連携して引っ越しの計画を立てます。また、荷造りのルールやスケジュールを周知徹底するため、従業員向けの説明会を実施します。

原状回復でトラブルになりやすい点

現オフィスを退去する際には、物件を入居前の状態に戻すため、原状回復工事が必要になります。住宅では通常損耗や経年劣化は貸主負担となることなどが国土交通省のガイドラインで定められていますが、オフィス物件では契約の条項や特約内容が重視されます。一般的に、造作物や設備の撤去や修繕のための費用はテナントの負担となります。

そのため、工事範囲の解釈の違いや費用負担の範囲などがトラブルの原因になりやすい傾向があります。契約時に定められた仕様を事前に精査し、オーナー指定業者との調整を早めに行いましょう。

新オフィスのリフォーム・リノベーション、引っ越しや原状回復を含めた全体スケジュールについてもサポートいたします。

ステップ7:移転後の運用と検証

移転後に確認すべきポイント

新オフィスでの業務開始後は、環境の変化に伴う不便がないかを速やかに確認します。従業員の反応や、計画の際に目的とした働き方が実現できているかなどをチェックしましょう。

次回改善につなげる視点

移転後半年以降は、年1回など定期的に従業員アンケートなどの効果検証(事後評価)を実施します。当初の目的が達成されたかを評価し、実態に合わせてレイアウトや運用ルールを柔軟に見直していくことで、オフィス環境を継続的にアップデートすることが可能となります。

移転後の満足度アップのためにできることをご紹介しています。

オフィス移転でよくある失敗例と回避策

オフィス移転プロジェクトにおいて頻発する失敗とその対策を整理します。

  • スケジュールの遅延
    引っ越し計画には、予期せぬトラブルや内装工事の遅れの可能性が伴うもの。標準的な工期を意識しつつ余裕を持った計画を立て、定期的な進捗確認を行います。
  • 想定外のコスト超過
    原状回復や不用品処分費など、旧オフィスの退去に必要な費用の見積もりが甘いことが原因です。対策として、早期のシミュレーションと専門家による見積もり精査がお薦めです。
  • 従業員からの不満噴出
    オフィス移転は従業員の日ごろの業務にも大きな負担とストレスを与えます。管理部門のみで計画を進めるのではなく、初期段階からアンケートやヒアリングを行なったり、適宜説明会を行うなどしてコミュニケーションを取りましょう。
  • 新設スペースの形骸化
    新たな働き方を意識して作ったスペースが、従業員に活用されず形骸化してしまうことがあります。各エリアに役割や名称を与え、利用意図を明確にし、利用目的やルールを従業員に周知し、利用の促進を図りましょう。

個別のケースに応じて様々な検討が必要なオフィス移転。サポートが必要な方はこちら。

オフィス移転でお悩みなら& workplaceにご相談ください

オフィス移転は、多くの企業にとって数年に一度の大プロジェクトです。だからこそ、専門家のサポートを受けながら進めることをお勧めします。

& workplaceでは、働き方起点のオフィス探しを軸に、物件紹介から内装設計まで、移転にまつわる全てをワンストップでサポート。初めてのオフィス移転でも安心してお任せいただけます。まずはお気軽にご相談ください。